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DQ9プレイメモ-その10 「気のいいアニキと 二人暮らし」


さて、前回クエストの報酬としてもらった宝の地図の印の場所を早速探しに行こうと思う。
わーい初めての宝の地図だー!ふむふむ「うす暗き獣の地図Lv1」ね。
この名前の付け方、モンスターズ2のカギの名前を思い出すなぁ。
いやモンスターズ2は横で見ていただけなんだけれども、いつか自分でもプレイしたいなぁ。

…っていうか探すも何もこれセントシュタインの西だよな。
最初の地図だからか向こうも親切だな、これ一枚目みんな同じ種類なんだろうな。

セントシュタインの西を探すと、出たよ出たよ!
どうやって沸いたのか良く分からんけど何やらレトロな感じの洞窟が!!
いやー懐かしいなぁ、と言ってもDS版天空編じゃまだまだ現役だけどな。


というわけで、レッツ突入!!



……



ちょっと待て、このイントロも聴き覚えがあるんだが。



アーーーーー!



DQ3キターーーーー!!!



すごく不安感をあおられるダンジョンの曲キターーーー!!!!



過去曲の利用はもう終わりだろうと思ったら、まさか宝の地図ダンジョンの曲が別に用意してあるとは……。

……

ちょっと待ってwwなんか知らんけどww画面がにじんで見えないwwww

この曲ね、たぶん人生で最初に覚えたドラクエの音楽なんですよ。
DQ3を自分でプレイしたとき、あの勇壮なフィールドの音楽は何故か覚えてなかったけれど、
この曲だけはFC音源でしっかりと頭の中に蘇ったんだ。
きっとネクロゴンド辺りで延々と道に迷っていたんだろうな我が父は。

ゴメンくろまめ、先に進む前にBGM一周するまで聴いてて良いかな……。

……

はい、ということでダンジョン内部を絶賛進行中なわけですが、
先程すれ違ったまじゅつしさんがまどうしの杖を落としてくださいましてですね、
ささげがやっと初期装備のかしの杖卒業だよ!良かったね!!

お、B4Fでもうボスか。なんかPVで見たことあるのがいるww
うーん、封印?天空の宮殿?言ってることがよくわからんがまぁ良いや。お手並み拝見と行こうか。


■VS黒竜丸 くろまめ:たびLv18/しろはな:そうLv18/いんげん:ぶとLv18/ささげ:まほLv17


おおお、これはなかなかキツイけど頑張ればいけるんじゃね?


黒竜丸は じごくから いかずちを よびよせた!


…………


全滅した……。


ちょ…ジゴスパークはないわ……。
すみませんでした、いけるんじゃないかとか言ってすみませんでした出直してきます。


そういえばパーティ4人になってから初の全滅だな。
お、今回は仲間も全員生き返るのか、なんという親切設計。

まぁ何だかんだでいつの間にかちいさなメダルがたまったので、バニースーツと交換してもらう。
早速くろまめに装備。
おおおお今回のバニースーツも可愛い!!
しかし下がてつのひざあてなのが残念なところだな…そのうちあみタイツ買いに行こう。

ついでにこの間サンマロウの辺りをウロウロした時に拾った素材でプラチナシールド錬金してみる。
出来上がった盾は一番防御力低いささげへ。
ささげが装備していたはがねの盾をはなさんへ。はなさんが装備していたうろこの盾をくろまめへ。
くろまめがやっと皮の盾を卒業しました。


*


再びサンマロウ。前回来たときはほとんど探索していなかったので、今度はしっかりとウロウロしますよ。
あ、女の子と戯れているネコがおる。おーいネコちゃーん!


「にゃあ にゃーん! にゃにゃ ニャゴロウ。


いきなりキリッとした顔(想像)で名乗られたもんだから吹いたじゃないかww


「ニャゴロウ にゃにゃにゃん……。 にゃこ にゃあ にゃん。
にゃにゃにゃ! にゃにゃあ にゃん にゃん にゃー にゃにゃー!

クエストを依頼されました。 このクエストを受けますか?



そうか、ニャゴロウはにゃにゃにゃんなのか……。
でもゴメンな、ちょっと今何をすればいいかわからないんだ。


>やめる

「にゃ……。



ネコからのクエスト依頼があるとは聞いていたけれど、あんなに流暢に話しかけられるとは思わん買った。
まぁ彼には悪いけれど後回しにさせてもらって、女神の果実探しと行きますか。


「キミ 光る果実というものを 知っておるかね? なんでも 万病に効く 薬らしいぞ。
町いちばんのお金持ち マキナさんは 光る果実を食べたとたん 不治の病が 治ったそうだ。



……


食べられてたー|||orz


早速確定情報出ちゃったよ!何なんだよもうw光る果実食べられすぎだろww
そしていつの間に万病に効く薬になったんだアレは……。
たぶん売り手が勝手に付けたうたい文句なんだろうけれど、面倒事を助長するような真似はやめていただきたい。

噂のマキナさんはと言えば、元気になってからというもの奇行が目立つようになったらしく、


「子供の頃の マキナさんは 病弱で ひっこみじあんの おとなしい子 だったんだけど……
今の マキナさんは…… なんていうか その…… すこぶる ユニークだよな。


「おやしきの マキナって子は へんちくりんな 娘っこでなあ。 オラの犬を見て えらくおどろいてな。
どうして この方たちは 毛皮を着て ベロを出してるの? ……なーんて 聞くんだよ。
そりゃあ犬だからな!って答えたら まあ イヌさんというお名前なの? だってさ。 まったく おかしな子だよ。



使用人を全員クビにして、大きなお屋敷にひとりぼっち。
クビにされた使用人は仕方なく宿屋で働きつつも、皆マキナのことを心配している様子。
確かに友だちになっただけで見ず知らずの人間に10万ゴールドもあげるなんて、
利用するだけ利用されてそのうち破産するぞ。

そういえば入口のお姉さんが、マキナさんと友だちになれば船をもらえるはずって言ってたな。
どういうことだ?明らかに女神の果実が原因なんだろうけど、今度の願いは「友だち」と関係があるのか?


*


町の裏手の船着場には、一隻の立派な帆船が。
昔は舟番をやっていたと言う老人は、船を見ながらどこか寂しげな顔。
持ち主の大商人が亡くなってからというもの、船は放って置かれたままらしい。
船に乗りたいと申し出ると感慨深そうな様子で、お屋敷のマキナおじょうさんに頼むよう勧めてくれた。


「やさしい方じゃ。きっと聞いてくださる。


屋敷の門を塞いでいたエラそうな兄ちゃんも、
舟番のおじいさんの知り合いだと告げると道を開けてくれたので、早速屋敷の中へ。
さて、噂のお嬢さんとはいったいどんな人物なのやら。

屋敷の中には案の定マキナとお友だちになろうと訪れた人々が。
マキナの元へ向かう前に屋敷の中を一周してみる。
なるほど大きなお屋敷だけど、使用人がいないせいかホコリとクモの巣だらけの部屋もあるなぁ。
……この立派な部屋、もしかしてマキナちゃんの両親の部屋だったんだろうか。

ひと通り見て回ったところでマキナおじょうさんの部屋へ。どうやら先客がいる様子。


「こんにちは ごきげんよう。今日は 何して あそびましょう。

「うん! 今日は マキナさんのために ケーキを 作ってきたんだ。
ほら おいしそうだろ? イチゴが いっぱい のっかった まっしろいケーキだよ!



おぉマキナちゃん、ふわふわの金髪に真っ赤なリボンとドレスがお人形さんみたいで可愛いな(*´▽`)
しかしこの武闘家もプレゼントに手作りのケーキ持って来るとか、なんだコイツ可愛すぎるだろ…!


「……ありがとう。すてきなケ…キ? ケキー? ね。 花びんに いれて かざっておくわ。

「あの~ マキナさん? それ かざるものじゃ……
ん~……ま いっか! 気に入ってくれて よかったよ。



ちょっ…よくないから!
エェェ……ホントに変わったコだな。不思議ちゃんでは済まされないだろコレは。
もう一人、セクシーな感じのお姉さんは、女の子は食べものよりおしゃれ!ということでリボンを持参。


「いつも 同じリボンを してるでしょ? だから新しいの プレゼントしたげる!

「いらない!

「ええ? な なんで? なんで? 色も もようも カワイイ……

「いらないったら いらない!! このリボンは 大切なお友だちと おそろい なんだから!
他のなんか つけないの! キライ!! あなたとは 絶交よ!

「そっ そんなぁ~!?



うーむ、言動も変わってるけど感情の起伏も激しいらしい。
あんなに機嫌が悪くなるとは、よっぽどお気に入りのリボンなんだな。

と、ここでくろまめの存在に気付いたマキナちゃん。
マキナちゃんに話しかける前に、前の二人に話を聞いてみる。


「ケーキを 花びんに かざるなんて マキナさんの センスは どうかしてるよなあ いや いい意味で。
はじめは ちょっと おどろいたけど さいきん クセになってきたよ。 今度は なんて言うかなーってね。



お前は良いのかそれで。
しかしこの武闘家は他の人間と違って、マキナにたかりに来てるっていうより可愛いから通ってるって感じだな。
いやーホント外見が武闘家なだけに一生懸命ケーキ作ってるところ想像したら笑ってしまう。良いなぁコイツ。


「リボン よろこぶと思ったんだけど……。 まずいわ。 きげんを直して もらわないと あたしと子どもの 生活がっ!


そして貴女はココが収入源なのか……っ。
シングルマザーなのかな…気持ちはわからんでもないが……うーん。

船が欲しいと切り出すと、あっさり承諾してくれたマキナちゃん。
いやー女神の果実のことが気になるけど、船のことがあっさり解決してヨカッタヨカッタ。
その代わりお友だちに?うんうん、お安い御用だよ!

……と、何やら様子がおかしい。
くろまめの方を凝視したまま一歩二歩と後ずさる彼女。


「あなた…… あなたは…… 町の人たちとは ちがう……。
あなた…マキナを むかえにきたのね?



……!?
確かに主人公は人間ではないけれど、何故わかった?
というか迎えに来たってどういうことだ…?天使だからか?
しかし申し訳ないが全く心当たりが無い。


>いいえ

「うそ! わたし 知ってるわ。 あなたは マキナを むかえにきた。 でも ぜったいに ダメ!!
わたし あなた キライ! あなたなんか お友だちじゃないわ。 やっぱり 船もあげない! 帰って!!



エェェェェェ……何この手のひらを返すような反応、どこがいけなかったんだ?


「キライったら キライ!! みんな 出てって! あなたたちも みーんなよ!!
出てってー!!



大癇癪を起こすマキナを見て、彼女を訪ねて来た人々は一目散に去って行き、
マキナ自身も自分の部屋に閉じこもる始末。

……?
今、部屋の隅に女の子の幽霊みたいなものが現れなかったか?
これはいったいどう解釈すれば良い……?


「ちょっと サイアク! いきなり なに キレてんの!? イミ不明なんですケド!


まぁサンディが怒るのも無理はないw


「……でも ムカつくけど あの マキナって子が きげん直さないと 船が もらえないっぽいし。
だれか マキナと 仲いいヒトとか いないかな?



*


というわけで、おじょう様のご機嫌を直すために町で情報収集。
マキナを訪ねてきていた人々からは非難轟々のくろまめ。


「おい! おまえ! マキナおじょうさんを 怒らせたな! どうしてくれるんだ コノヤロー!


「もうっ! あなたが ヘンなこと言って マキナちゃんを 怒らせるからっ! こっちは 生活が かかってるのよ!?



知らんがな。こっちだって理不尽に怒られて意味がわからんのだもの…。


「あ~ マキナちゃん どうしたら ごきげん直してくれるのよ~!? 乳母さんに 相談しようかしら。


乳母?なるほど、その乳母さんを探せばいいんだな?


「昔から マキナさんは 病弱でさ。 外であそべないから いつも ひとりで 窓の外を さみしそうに ながめてたよ。
そりゃあ 今は ワガママだし ユニークすぎるかも しれないけど マキナさんは 元気なほうが いいよ。



この武闘家、ホントにマキナのことが好きなんだなぁ。
うーん、マキナの願いって何だったんだろう。友だちが欲しいとか、外で遊べるようになりたいとか?
それはありきたりすぎるかなぁ。

乳母さんの家は屋敷の側ということだけど、もう少しマキナについての情報を集めたいので、
ひとまずお屋敷の元使用人さん達が集まる宿屋へ。


「ん? 光る果実の話を 聞きたいのかい? あれは あたしが おやしきで コックをしていたころのことだ。
マキナさまのご病気を 治すため 遠い国から 万病に効く ふしぎな果物を とりよせたんだ。
キラキラ光る うつくしい果実を 食べてから マキナさまは 見ちがえるほど お元気になった。
でも…それから マキナさまは 何も食べず 人が変わったようになった。 きっと あの光る果実が 原因だよ!



例の果実が原因だというのは百も承知なんだが、何も食べないとは…?うーん、ますますわからん。


「マキナさまの おぐしを とかしていた時 まるで お人形のように かわいらしいですね と 言ったら……。
マキナさまは 急に 怒りだして みなを 家から 追い出してしまったのです。



うーーん??


「しばらく前まで マキナさんは ご自分は もう助からないと思いこんで ずいぶん落ち込んでいらしたものです。
くちグセのように もうすぐ天使さまが 私を むかえにくるのが わかる ……そう おっしゃっていました。
本当に マキナさんが お元気になられて よかった。 ちょっと 元気すぎるようですけど。



ああ、それで天使であるくろまめに過剰な反応を示したのか。
それだけ死ぬことへの拒絶が強かったってこと…?
友だちがどうこういう前に、死にたくないっていう気持ちもあったんだろうか。

それにしても何故主人公が天使であることを感付いたのかがよくわからん。
女神の果実を食べるとそういう能力が身に付くのだろうか。

あとはマキナの背後に現れたあの霊体の存在がなぁ……。
女神の果実のことだから願いを斜め上に解釈して、魂ごと入れ替えちゃったりでもしたんだろうか。
あっちの幽霊の方が本当のマキナとか?

さて、そろそろ乳母さんのところへ向かおうか。


「マキナさんが おこってると ぼくんち ごはんが たべれないんだよ! おやつもだよ!


エェェー、さっきのお姉さんの子供かな、そりゃ大変だ。


*


ひと通り回ったところで乳母さんの家を訪問、早速事情を説明してみる。
しかし病気が治ってから別人のように気難しくなり、使用人とも口を利かなくなってしまったおじょうさまが、
自分と会ってくれるとはとても思えないとのこと。


「でも……そうだわ。 ひとりだけ 今もかわらず マキナさまが 心をひらく相手がいます。
マキナさま お気に入りの人形を作った からくり職人の おじいさんです。 教会のとなりに 住んでいますよ。
からくり職人の おじいさんになら マキナさまも 会ってくださるでしょう。



からくり職人のおじいさん…ああ、あの靴屋にいた人かな。ここで話に絡んでくるのか。
こんにちは、ちょっとお邪魔しますよ。


「この店は 昔 わしの工房でな。 からくり職人として いろんなものを 作ったもんじゃよ。
ま 年も年なので しばらく前 仕事は やめてしまったがね。



それで、少々伺いたいことがあるのですが。


「……ん? なんじゃと? マキナおじょうさんに 人形を 作ったことがあるだろう じゃと?
なぜ 旅人のあんたが…… そうか! 乳母から聞いたんじゃな。 うんうん。なつかしい話じゃ。
で どうして とつぜん そんなことを。



かくかくしかじか。


「なにっ!? マキナおじょうさんが ヘソを曲げて 部屋に とじこもったじゃと!?
うう~む……。 それは心配じゃ。 旅の人 知らせてくれてありがとう。
どういうわけだか おじょうさんは わしを えらく 気に入っておってなあ。
使用人たちを 追い出した後も わしだけには ちょくちょく 家に まねいてくれるんじゃ。



自分が声を掛ければおじょうさんも部屋から出てくるかもしれないということで、おじいさんを連れて再びマキナの部屋へ。
それにしても、からくり職人のおじいさんにだけ心を開いているのか……。
願い事、いっそお人形になりたかった…とかじゃないよな。


「おおーい。マキナおじょうさーん! おじゃまいたしますぞ。


しかし誰の返事もなし。部屋のカギが開いていたので入ってみる。


「おかしいな。マキナおじょうさんも わしが作った 人形も どこにも 見あたらない……


人形…そうだ人形が無い。
クマのぬいぐるみはあるけれど、人形なんてどこにもない。


「…………ん?
ベッドの上に 手紙があるな。 どれどれ……

娘は あずかった。 返してほしくば カネを 北の洞くつまで 持ってこい。

「こっ この手紙は…… 大変だ! みんなに 知らせなくては!!
マキナおじょうさんが…… マキナおじょうさんが さらわれた!



慌てて出て行ってしまったおじいさん。
そして、部屋の奥でぼんやりと浮かぶマキナにそっくりな少女の霊。


「マキナ さらわれちゃったね…。 ビミョーに 助けに行こうって気に ならないんですケド……行くよね?


ちょww

それにしても、見当たらないお人形、マキナにそっくりの幽霊…人形…人形……。

もしかして……お人形に命が宿った…のか……?

うあああああ…………!
どうしよう、どうしてこうなったのか分らないけれど、もう既に言いようもなく哀しい気持ちが溢れてくるんだが……。
それじゃあ、本物のマキナはどうなったんだ?

部屋の隅でたたずむ少女に話しかけると、彼女は何も答えずに背後にあった扉の奥へ。
彼女の後を追いかけて扉をくぐると、そこは海がよく見えるお屋敷の中庭。
その中央で寄り添って並ぶ二つの墓碑。


大商人を ささえた 心やさしき妻 ここに 眠る。

サンマロウの発展に つくした 大商人 ここに 眠る。



それから、その手前にもう一つ。


くろまめは 墓を しらべた。

大好きな お友だち ここに 眠る。



…………っ!

じゃあ…じゃあ本物のマキナはもう……。


「さっきの幽霊 マキナに似てなくなくね? どういうこと?
もしかして…… ヘンテコおじょうさまの身に なにかあったとか!?



ゴメン、似てると言いたいのか何なのか良く考えんとわからんかった。


あの子は 私の たったひとりの 大切な お友だち……

「ひっ!! 出た!! ヘンテコの幽霊っ!!



二人の前に現れたのは、先程の少女の幽霊。


「私は……マキナ。 この墓の下で 眠る者です。
そして あの子…… さらわれてしまった あの子は 私のお人形 マウリヤ。
ふしぎな 光る果実のチカラで 命を宿した 私の 大切なお人形……。



ハッとした様子で顔を見合わせるサンディとくろまめ。


ふつうの子のように 外で 遊ぶことのできない私にとって マウリヤだけが お友だちでした。
大好きな 大切な お友だち。 マウリヤと 毎日遊んだ。 とても 幸せでした。でも……
私の病気は どんどん ひどくなり じきに 天使さまが おむかえに くるだろうと……わかっていました。
そんな ある日……。
召使いが 万病に効くという めずらしい果物を とりよせたのです。
黄金色にかがやく うつくしい果実。 ……けれど 私は とっくに あきらめていました。
黄金の果実を 食べたところで 私の病気が 治るはずはない。 私の命は もう つきるのだ…と。



そうか、マキナはもう生きることを諦めていたのか……。
それじゃあ彼女の願いって……?


「ほら マウリヤ。きれいでしょう。 キラキラ光って お星さまみたい。 それに……とっても いいにおい。
あなたにも 食べさせてあげたい。 ひとりぼっちじゃなくて 誰かと いっしょに……。



果実を手に持ったまま黙り込むと、寂しそうな顔で人形に語りかけるマキナ。


「ねえ……マウリヤ。 あなたが もし……
人間のように 動いてくれたら しゃべってくれたなら……
あなたに 命が宿って 私だけのお友だちに なってくれたら どんなに……
…………ゴホッ ゴホッ!!
……天使さま……。 私を おむかえに きたのですか…? ゴホッ! ゴホッ!!



はずみで彼女の手からこぼれ落ちる果実。
それは人形に触れるとまぶしく光輝いて、

……

果実は消え去り、後に残されたのはゆっくりと目を瞬かせる人形の姿。
そのままゆるゆる顔を上げ、主の方を向く人形のマウリヤ。


「……あなた マキナ? わたしの お友だちね。


驚くマキナの前でゆっくりと立ち上がると、そのままドレスの裾を摘み上げ、優雅に一礼するマウリヤ。


「こんにちは マキナ。 やっと あなたと お話できて とってもうれしい!

「……マウリヤ……? あなた 本当に……?
…………!!!



それでも、病魔は確実に彼女の身体をむしばんで。


「……せっか…く…願い…… かなったのに……。

「なあに?



悲しげな微笑みを浮かべ、マウリヤの手を取るマキナ。


「私は…もう……
マウリヤ…… あなたに 私の持っているもの 全部あげる。 あなたが マキナになるの。
お人形だと知られたら この町に あなたは いられないかもしれない。 だから 私のふりを して……
あなたは マキナとして…… しあわせになってね。 ……私の分も…長生きしてね……。

……私の…かわり…に……
…お友だち……たくさ…ん……



彼女の言葉を守るため、誰にも気づかれぬよう墓を作りマキナになったマウリヤ。
町の人々を騒がせたのは自分一人の罪、マウリヤをどうか責めないでほしいと告げると、姿を消すマキナの霊。


どうか天使さま マウリヤを……
私の 大好きなお人形……
……大切なお友だちを 助けて……



そうか、友だちを作ることにこだわっていたのはマキナの言葉を守るため、
頭のリボンは大切なマキナとお揃いの大事なリボン、
天使である主人公を見て過剰な反応を示したのは、
マキナの話を聞いて、天使が何をする者であるか知っていたから、
大切なマキナを天使に連れて行かせるわけにはいかなかったから、
お人形みたいですねと言われて怒ったのは、人形であることがバレてしまったと思ったから……。


「あんだけ たのみこまれちゃー ほっとくわけには いかないよね。 ねー。天使の くろまめさま!
んじゃ ちょちょいのちょいっと お人形を 助けに行こー!



そうだ、天使くろまめは誰かを迎えにここに来たわけじゃない。


お嬢様誘拐の知らせは瞬く間に町じゅうに広がるも、誰一人として助けに行こうとする者はおらず、
身代金にしても、このまま見捨てるのは寝覚めが悪いが自分の金は使いたくないといった様子。
人騒がせだとか、お金で人の心を買おうとした天罰だとか囁き交わす人々の中でただ一人、


「オラと 犬っころとで あやしいヤツの 手がかりを さがしてるのよ。 ほれ いけ~!


犬飼のおじさんだけは彼女の事を心配してくれているけれど…。
それにしてもあいつらだな、誘拐犯。


「人相も ガラも 金の払いも 悪く 声だけは とほうもなく大きい そして 汗くさい男が ふたり。


酒場でも屋敷の前でも大きな声で密談してたもんな。


*


「えっ こんなに 時間かかってるのに まだ 女神の果実は これだけ? サボりすぎじゃないの くろまめ!


うっさいわwwサボってるんじゃない!道草しているだけだ!!

誘拐犯を追ってサンマロウの北へ向かう一行。
こんなところをスライムがピョコピョコしてると思ったら、こいつら合体スライムか!
おおおキングスライムキター!!ぷるっぷる!ぷるっぷる!!
ハッ…バブーンがおる…こいつもトラウマだからあんまり近寄りたくないなぁ。


【サンマロウ北の洞くつ】 くろまめ:たびLv18/しろはな:そうLv18/いんげん:ぶとLv18/ささげ:まほLv18


ええと、入口が二つあるみたいだけど、ここはまず脇にある方から調べてみようか。


この先 関係者以外 立ち入り禁止!

ご用の方は いったん外に出て 中央入口より お入りください



アレ、奥に扉があるけれどカギがかかってて入れないわ。
仕方がないから看板の通り正面から入るか。
あ、また看板がある。


気のいいアニキと オレのアジト


今一瞬、暖炉のある家で幸せそうに暮らしているどこかのDQ主人公と山賊の絵が頭をよぎった。
まぁそれはいいとして、さっさと中に入ろうか。


ご用の方は この先へ お進みください

足もとに お気をつけて 魔物に ご注意ください



ちょ……!ベホイミスライムがおる!!
うわー久しぶりー!!本編復帰おめでとう!!

アレ、さっき閉まってた扉の方から人の声がするぞ。


「アニキぃ~。 あの娘 親なんかいないって 言ってますぜ……。
しかも やしきの使用人も ぜんぶクビに しちまったから ゆうかいに気づくヤツは いないって……
そういや……あの おやしき まるで 人の気配がなかったな。 ………………。

「バッキャロー!
あきらめるなっ! 家族がいなくても 友だちとか 誰か ひとりぐらい いるだろう!
もうしばらく 待つんだ。 きっと 誰かが オレたちのために 身代金を 持ってきてくれるさ!

「かっこいいぜ! アニキぃ~!



おかしいな、あと少しで男と男の熱いドラマになるはずなんだけどな。


いらっしゃいませ どうぞ イスに 座り しばらく お待ちください


そしてこの看板はさっきから何ぞ、やたらと親切だな。


アーーーー!


デッドペッカァァァァ!!


デッドペッカーが!いっぱい走っとる!!
ヤバイな…ここ住みたいな……。

えーと、ひとまず落ち着いて言われた通りイスに座ろうか。
イスに腰掛けて待っていると再び犯人二人組の声。


「ん? なんか 人の足音が 聞こえたような……。 ちょっと 見てくらぁ。





くろまめの姿に気付き、いそいそとこちらへやって来るアニキ。


「あんた…! まさか 身代金を……!?


(*´▽`*)ポワーン


「ようこそ いらっしゃいませ! いやぁ~。こんな むさくるしい所へ よく 来てくださいやがりました!
わかってます わかってます。 あなた アレでしょう。マキナおじょうさんの……
いや~っ いい人だ! あんた すばらしい人だ!! ゆうかいした かいがあった!



とりあえずお前の喜びは痛いくらいに伝わってきた。


「だいじょうぶ。おじょうさんは 元気に してやがりますよ。 かすりキズひとつ つけてません。
おーい! おじょうさんを こっちに つれてきな!
ちょいとばかり お待ちを。 へっへっへ。
おーい! まだかー!!



アニキが大声で呼ぶと、向こうから慌てた様子で走ってくる弟分。


「あ アニキ~!! たいへんだー!

「なんだ。どうした?

「つかまえてた おじょうさんが 逃げちまった!!

「なんだとおー!?



慌ててアジトへ戻る二人。
なん…だと……?それはこっちのセリフだ。
ひとまず二人を追いかけて先程は入れなかった扉の奥へ。


ゆうかいは 明るい笑顔で 元気よく。


早速こんな標語に出迎えられたわけだが。
そうだね、暗い顔してちゃ人質のコも付いて来てくれないかもしれないもんね!
……じゃないよ!!何あいさつみたいに言ってんだ。

奥に進むと確かに牢屋の柵はねじ曲げられていて、中には誰もいない。
……これ、マウリヤがやったのか?
もう一つ奥に続く道を発見、こちらの方へ進んで行くしか無さそうだ。


!注意!
洞くつの 奥には 魔物が出ます
危険 進むな



さっきからご親切にどうも……って今度こそ誰向けなんだこの看板は。
まぁ進むなといわれても進むしかないんだが。


例の アイツを さがして
メタルハンターが 住み着いてます。
みなさん じゅうぶん ご注意ください。



例のアイツ?メタルスライムは結構前に出たから、はぐれメタルかな。
お、オーシャンクローだ!
キター!回転!横回転!!相変わらず良い回りっぷりですなぁ。

メーダロードーーー!!
地面からきゅぽって出てくるvv
いかん、やっぱりこのしっぽアタック可愛い(*´Д`)

あああそこにいるのはメタルスライムタワー(仮)!!
そうか、例のアイツってお前らのことか!……あぁぁ逃げられたorz
ちくしょうやっぱり逃げ足速いな…お、あそこにもう一匹……!
今度は逃がさんぞ、さぁ名を名乗ってもらおうか。


メタルwwブラザーズwwww


そうか、お前ら兄弟なのか…だが容赦はしない、経験値はいただく!!


キターーーー!!一人3072P!!みんなレベル上がった!!
ありがとうブラザーズ…お前ら兄弟の絆、無駄にはしないぜ。


あれ、今度は看板じゃなくて石碑だ。


光も届かぬ 地の底 毒の沼には ズオーが住む。
旅人よ 心せよ。 ズオーに出会いしとき そなたの旅は 終わるであろう。



ほほう、こいつが今回のボスというわけですな。
そういう輩がいるとあっては、ますますマウリヤのことが心配だ。
いや、牢屋の柵をこじ開けられるくらいだから、もしかしたら心配しなくてもいいのかもしれんが。
しかし誰が作ったんだコレ。あいつらでは無いことは確かだけど。


「ゆうかいをしたんなら セキニンとって 人質を見とけってカンジね まったくっ。 アタシたちが 探すっきゃないっぽい?


そうだそうだ!全くその通りだ!!
そんなこんなでそろそろ洞窟の最深部?
マウリヤを発見するも、彼女は相変わらずの様子で。


「あら ごきげんよう。 ……え? マウリヤ……? どうして わたしの名前を知ってるの?
わたし 新しいお友だちと あそびにきたの。 ヒゲと マスクの お友だち。
でも ちっとも 楽しくないから さんぽ してたのよ。 あなたは? おさんぽ?



そうか、誘拐されたとも気付いてないのか。
と、そこへ響き渡るうなり声。


「だあれ?


彼女の背後に現れたのは、色といい形といいなんともグロテスクな節足動物。


「ズオオオオオオ!!!

「ごきげんよう。 あなた とってもユニークね。 わたしの お友だちに ならない?



そんな巨大グモの前で臆することもなく優雅に一礼するマウリヤ。
うん、まぁユニークと言えばユニークかもね……。


「ズオオオオオオ!!!


しかしそんな彼女の言葉に耳を貸すはずもなく、

マウリヤの身体はぽーんと宙を舞い、

そのまま地面へ叩きつけられて……。

その様が本当に人形みたいだったものだから、何だか悲しくて……。


マウリヤは ぴくりとも うごかない。


マウリヤ…マウリヤ…壊れちゃった…のか……?


「ズオオオオオオ!!


■VS妖毒虫ズオー くろまめ:たびLv19/しろはな:そうLv19/いんげん:ぶとLv19/ささげ:まほLv19

倒したらまだらくもいとを落としたが、お前のか、お前の糸なのか。


「お~い! おじょうさ~ん!!


ちょうど丁度良く追い付いた例の二人。


「おっ……おじょうさん!?


倒れているマウリヤの姿を見つけ、大慌てで駆け寄るアニキ。


「しっかりしろ! おいっ おじょうさん!


声を掛けても返事は無く。


「……やべえ。 おじょうさん……死んでる。

「アニキぃ~!!



静まり返る洞窟。
……と、呆然とする男の後ろで、


「ああ びっくりした。


何事も無かったかのように身体を起こすマウリヤ。





「……し…… 死んでたはず……なのに……
こんな 恐ろしいところは もう まっぴらだ! おいっ ズラかるぞ!!

「たっ 助けてくれー! こいつ 化け物だあーっ!!



一目散に逃げる二人。


「……ばけもの……。


彼らが残したその言葉を、静かに繰り返すマウリヤ。


「知ってるわ。化け物って…… 絵本に出てくる 悪い生き物のこと。 みんなの きらわれもの……。
……本当は わかってるの。 うまく できないの。
みんな ほんとの お友だちじゃない。 物をあげるときだけ 来てくれるの。 ほんとは わたしは いらないの。
マキナのために たくさん お友だちを 作りたかったけど わたし 化け物だから ダメなのね……。



うまくできないの、か……。
自分なりに一生懸命友達を作ろうとしたのもみんなマキナのためだったんだな。

でも、マキナのあの最期の願いは、きっと自分のためじゃなくて、マウリヤ自身のためのものだったんじゃないだろうか。
病弱だったために外でも遊べず、マウリヤだけが友達だった自分のようには生きてほしくない。
だからあなたは私の代わりにたくさん友達を作って、私がいなくなった後も幸せに過ごしてほしい。
マキナはきっとそう願っていたんじゃないか……。


……あなたは……
化け物じゃない……
……大切な 私のお友だち……


「大好きな お友だちよ。 マウリヤ。



うつむくマウリヤの前に現れたのはマキナの霊。
嬉しそうな顔で彼女の元に駆け寄るマウリヤ。


「おかえりなさい! どこへ行ってたの? ねえ。 今日は 何してあそびましょう?

「………………。
ごめんなさい……。 もう あそべないのよ。 もう二度と あそべないの。

「……わたしのこと きらい? きらいになったから あそばないの?



静かに首を振るマキナ。


「……ひとりぼっちだった 私を マウリヤ あなたが 支えてくれた。 でも 今は あなたが ひとりぼっち。

「なあに?

「私を 幸せにしてくれた あなたを 私は……。

「ええ マキナ。 わたしも あなたといっしょなら いつでも幸せ!



あああ…やめてくれ…余計に辛くなるから……
そんなに無邪気な笑顔を見せないでくれマウリヤ……!


「ごめんなさい…… ごめんなさい。 あなたは もう 自由になって。 私の願いに しばられないで。
私は マキナ。あなたは マウリヤ。 ……私は 天使さまと いっしょに 遠い遠い国へ 旅立ちます。
だから あなたも…… にせもののマキナじゃなくて お人形のマウリヤに もどって……



そう訴えるマキナの体は青い光に包まれて。


……マウリヤ……
大好きなお友だち……
……ありがとう……

……どうか 幸せに……



天に昇って行くマキナの霊。


「……マキナは 遠い国へ 旅立つ。 わたしは 人形マウリヤに もどる……。
でも その前に……。 マキナは 旅に出るって 町のみんなに 教えてあげなくちゃ。



*


マウリヤの後を追ってサンマロウの町に帰還。
彼女の行方が気になるけれど、ひとまずからくり職人のおじいさんに事の顛末を説明。


「なんと! わしの作った 人形に 命が宿り 人間と同じように 動きだしたというのか!
はっはっは! 旅の人。 おいぼれを からかうのは やめてくれんかのう。



まぁ当然といえば当然の反応か。

どうやら既にマウリヤは町の人へあいさつして回った後らしい。
人々の反応は様々で、誘拐事件は全て彼女の一人芝居だったのではないかと言う者や、
自分が身代金をケチったばっかりに助からなかった、なんてことにならなくて良かったと一安心する者、
早速飛び交う噂話。


「ウワサじゃあ マキナさんは 自分から ゆうかい犯たちに ついていったらしいぜ。
しかも ゆうかい犯と 魔物を こてんぱんに やっつけて 旅に出たって 話だぜ。
ほんと あの人って 人さわがせで ユニークで おもしろいよな~!



噂には尾ひれは付き物だけど、何その超人伝説はw


「マキナちゃんに たよらなくても 母ひとり 子ひとり 食べる分ぐらい なんとかしなくちゃね!


良かった、このママさんが前向きになってくれたのは何よりだ……!

宿屋で働いていたお屋敷の使用人たちは皆屋敷に戻った様子。
おかげで宿屋の息子は不満タラタラのようですがw
さて、そろそろお屋敷を訪ねるとしますか。


「せっかく 帰ってきたのに マキナさまったら 旅に出て しまわれたんですよ。 さみしいわ。
ひとまず この 荒れはてた おやしきを そうじしながら マキナさまの帰りを 待つことに しましょう。
そういえば ひとつ 気がかりなことが あるんです。
マキナさまの ご両親の お墓がある 1階の 中庭に…… ひとつ 知らないお墓が 増えてるの。
あれは いったい 何なのかしら?



……そうか、マキナが亡くなったことは誰も…マウリヤ以外は誰も知らないんだよな。
皆彼女が本当に旅に出たと思ってる、それもそれで寂しいような、正直ちょっと怖いような……。
そうだ、それで、マウリヤはどこに…?


中庭への扉を開くと、そこには以前と変わらずひっそりと並ぶ二つの墓。


そして三つ目の墓碑の傍らには、もたれかかるように座るマウリヤの姿。


…………。
そうか…………。


歩み寄るくろまめの前に現れたのは、役目を終えた4個目の果実。


「あらまあ。 マキナさまのお人形 こんなところに あったのね。 見つかって よかったわ。


振り返ると、そこにはマキナの乳母だったというあのおばあさんが。


「さ マウリヤちゃん。 お部屋で マキナさまの 帰りを いっしょに 待ちましょうね。


老婆に抱えられ、運ばれていくマウリヤ。


「そうそう くろまめさん。
マキナさまが あなたに 約束どおり 船はさしあげると おっしゃっていましたよ。
町はずれの さんばしにいる 舟番のおじいさんにも 伝えてあるそうです。
それでは 失礼いたしますよ。



そっか、そうだったね…覚えててくれたんだ。
ありがとう、マウリヤ……。

部屋に戻ると、ベッドの上には横たえられた彼女の姿。


人形は もう 動かない


*


「オラのとこに あいさつに来たとき マキナが おかしなこと 言ってたんよ。
あなたは マキナのお友だちだけど もし わたしの名前が マキナじゃなくても お友だち?
……だーってさ。 何のことやら わからねえんで ぼんやりしてたら 行っちまったよ。
あの子が おかしいのは いつものことだけんど……なーんか えらい さみしそうでなあ。
マキナが旅行から帰ったら あんたが びんぼうでも 犬っころでも 友だちだべって 言ってやるんだ。



*


桟橋へ向かうと、舟番の老人に出迎えられるくろまめ一行。


「おお! 待っておったぞ! マキナおじょうさんも あんたに 感謝しておったじゃろう。
……なに? マキナおじょうさんは もう 町を出た あとじゃったというのか?
なんと おじょうさんも 水くさい。 命の恩人の あんたに あいさつもせず 旅立つとはなあ。
さて!
約束どおり 今日から この マキナおじょうさまの船は あんたが 自由につかっていい!
世界中 どこまでも 自由に船を 走らせてくれ。 ……船も よろこぶじゃろう。
さあ 乗った乗った! 今日の風は 船旅に もってこいじゃ!



くろまめたちが乗り込むと、早速大海原へと舳先を向ける船。


「お~い お若いの! あんたの 旅の無事を 祈ってるよ!


ありがとう!おじいさんも元気でなー!!

……と、いうわけで


くろまめは 船を 手に入れた!


今回もここに至るまで色々なことがあったけれど、いよいよ自分の船での旅が始まるわけですな。
港を出るとサンディが船の操作方法についてめっちゃ詳しくレクチャーしてくれたんだが、
なんで人間の船なのにそんなに詳しいんだサンディ、さすがは天の箱舟の運転手と言うわけか。


「じゃあ 世界の海へ レッツゴー!


よっしゃあ!レッツゴー!!


(プレイ時間 23:39)




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