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DQ9プレイメモ-その5 「動くと思ったのに 動かなかった」


「魔物のうろつく城に やってくるなんて フィオーネ姫は 姫にしとくのが もったいないと 思うんですケド……。


で す よ ね !
彼女が王位を継ぐなら、あの国はきっとこれからも安泰だよな。
あぁ、それにしてもフィオーネ姫は素敵な人だったなぁ…もっと色々お話したかったよ。

少々名残惜しいけれども、セントシュタインにはまたしょっちゅう遊びに行くだろうし、
気持ちを切り替えて旅を続けようか。


「ちょっと くろまめ! 天の箱舟が あるのは こっちじゃないヨ!


……バレたか。


「え! なに その顔? リアルに 道に まよってんの? 超うける!
天の箱舟がある とうげの道は お城から 西のほうなんですケド! ホラ! さっさと 行くヨー!



ま…迷ったんじゃない!
封鎖されていた関所が通れるようになったと聞いたらつい通りに行きたくなるプレイヤーとしての性が、
うっかりはたらいてしまっただけだ!!

と、いうことで、天の箱舟を放置して東の関所を抜けようとしたら案の定バッチリお叱りを受けてしまったわけですが、
大丈夫ですよ、ちゃんと当初の目的通りとうげの道を目指しますよ。
天使界に帰るんだものね。


しかし、とうげの道に着いたものの、天の箱舟は静かなままで。


「あれ? あれ あれ あれ?
ちょっと どゆコト? 天の箱舟ってば なーんにも 変わってないじゃん。
神さまが アタシらを 見つけてくれたなら 箱舟が光って 動きだしそうなもんなのに……。



まぁ、まず神さまが一介の天使を探してくれてるのかどうかが怪しいところだよね。


「も…もしかして アタシの予想 ハズれたっ!?
そ…そんなワケないヨ! 中に入ったら きっと 動きだすって! ホラ 早く 中に入るヨッ!



ここのめっちゃあせってるサンディが超可愛い。
じゃあ、とりあえず中に入ってみようか。


「……マ マジすか……。 中も なんも変わってない……。
アタシら 神さまに 見捨てられちゃった……?



サンディに続いて箱舟の中に入るくろまめ。
すると突然周囲がガクンと一揺れ。


「わっ わわ……!
ちょっと どゆコト? 今 いっしゅん ゆれたよね!? あんたが 入ってきたとき……。



ここでサンディ、何かを思い付いた様子。


「あんたが 入ってきたとき!?
そうか! それヨ! くろまめ!



え、何?どれ?どういうこと?


「黒騎士事件を 解決したときに出た 星のオーラのチカラで あんたに 天使のチカラが もどったのよ!
天使がのれば 箱舟が動くっていう アタシの最初の予想 やっぱ 当たってたんですケド!



得意げに頷くサンディ。
なるほど、箱舟にはそういう機能?が備わってるのね。


「だったら 話は 早くネ? くろまめが もっと もーっと 人助けをして……
いっぱい 天使のチカラを 取りもどせば 今度こそ 箱舟は 動いちゃうんですケド!
それじゃ お城の東にある関所をこえて 新しい町に 行って みよーヨ! 誰か 困ってるかもしんないしネ!
よーっし! なんか 希望が見えてきた! 人助けの旅に 出発シンコー!!



気持ちの切り替え早いなぁ。それじゃ行きますか新しい場所へ。


……ってか結局関所越えるんじゃないか。


*


おお、またモンスター層が変わってる……!
あああテンツクが…!テンツクがピョコピョコしとる……!!


関所を越えてしばらく行くと、見えてきたのはベクセリアの町。
しかし、町に入るとのっけからひどく陰鬱なBGM。
何だここは、DQ4のアッテムトの再来か?

話を聞いて回ると、どうやら先日の地震の直後から、昔流行したというはやり病が再びこの町を苦しめているらしい。
まだ犠牲者は出ていないものの、咳き込んだり寝込んだりする人々は後を絶たず。
教会にはいずれこの墓地も墓石であふれてしまうのではと嘆くシスター。
そう言うシスターも具合が悪そうじゃないですか。

ある家を訪ねると、台所にエプロンドレスの女性の姿。


「あっ! おかえりなさい ルーく……
……って ヤダ。 人ちがい!? はずかしぃ~!



照れくさそうに身をよじる彼女、おおよそ今の街の雰囲気に似つかわしくない感じだけれども。


「え~っと ごめんなさい。 ボーッとしてたせいで 人ちがいしちゃったみたい。
私って こういうの多くて…… ダメですよね。 妻として もっと しっかりしなくっちゃ!



なるほど、可愛らしい奥様だ。旦那さんの帰りを待っているのか。


ひととおり町の様子を見て回ったところで、はやり病について詳しく訊ねるべく町長さんの元へ。

何でも歴史のあるお屋敷なので、数多くの古文書を所蔵しているらしい。
ある若い学者がその古文書を見せてもらうために屋敷に通ううち、
町長さんとこのお嬢さんとお近付きになり、二人は結婚。
しかし婿と舅の仲はいまいちよろしくないようで。
このままでは娘のエリザが可哀想だと心を痛める町長夫人。
ふーむ、何とかならないものか。

町長は古文書の解読に手をやいている様子。
古文書によれば、現在町を襲っているはやり病は、100年前にこの町で発生したものと同じらしい。
病の打開策を得るべく、噂のムコ殿に古文書の解読を依頼したものの、
こちらから進捗状況を聞きに行くのはシャクだと言う町長。

ハイ、そこで我々の出番というわけですね!

ということで、件の学者、ルーフィン先生の元を訪ねてくれるよう町長に頼まれたくろまめ。
しかし問題の先生は研究室に閉じこもり、扉を開けてくれる様子もなく。
ここは奥様に協力を仰ぐしかなさそうだ。


先ほどの若奥様を訪ねると、ああすいません、お休みの最中でしたか。


「ごめんなさい。 ちょっと うたたねしちゃってて。
……えっと。 もしかして ルーくんに ご用かしら?
あっ! ルーくんってのは うちの主人のルーフィンのことね。
キャッ! 主人ですって。 てれるぅ~!



いちいち可愛いなぁこの人。


「ああっ スミマセン! ルーくんなら 今 お仕事で 研究室に こもってるんですよ。
……えっ? パ……いえ 町長にたのまれて ようすを見に?
それなら 私が いっしょに行って 研究室のとびら 開けてもらいますね。 ルーくん 人見知りするから。



ありがとうございます、助かります。


「あっ 申しおくれましたけど 私 ルーくんの妻で エリザって いいます。
それじゃ 私は 先に行ってますね!



後に続いて研究室へ。


「パパったら ルーくんに会うのが 気まずいからって 旅の人に たのまなくても……ケホッ ケホン!


……咳?


「あっ! もう 来てたんですか。 それじゃ 開けてもらいますね。


トン トン トトトン トン

独特のノックをするエリザ、これが合図になってるんかな。


「……エリザかい? こんな時間に めずらしいな。

「おつかれさま。 ルーくんに お客さまだよ。
パパの お使いの人が 古文書の解読が すすんでるか 聞きたいんだってー。

「……入ってもらってくれ。



じゃぁ、お邪魔しますよ。


「今 いそがしいんだけどな…… でも お義父さんの使いじゃ ムシもできないか。


ああ、また扱いの難しそうなのが出てきたぞ。


「で 何の用で……って そうそう 古文書の解読結果を 聞きにきたんでしたっけ?

「ルーくん。 その前に じこしょーかい じこしょーかい。

「ん~ それって 意味あるのかい? めんどくさいな……。



まぁそう言わず、一応自己紹介くらいしようぜ。


「はじめまして……ですよね? ぼくは ルーフィン。 考古学などを やっています。
あなたは……くろまめさん? まあ できるだけ 覚えておきますよ。 ……たぶん すぐ 忘れちゃうけど。



エェー。


「そんなことよりも 古文書の 解読の結果 はやり病の原因が いちおう 判明しましたよ。

「さっすが ルーくん!



どうやら、仲が悪くても頼まれたことはきちんとやっていたらしい。
何にせよそれならこちらも一安心。

事の起こりは100年ほど前、ベクセリアの西である遺跡が発見されたこと。
ベクセリアの民が、うっかり遺跡の扉を開いてしまったところ、中から病魔と呼ばれる災いが出てきた。
これがはやり病の元凶。実際には病気というより呪いの一種らしい。
当時の人々は病魔を封印し、遺跡の入り口をほこらでふさいで難を逃れましたとさ。


「……ってことは 今 この町に はやり病が 復活したのは?

「たぶん この前の地震で ほこらの封印に 何か異変が 生じたんだろうね。

「じゃあ ほこらに行って 病魔ってのを 封印しなおせば いいってこと?

「その通りさ。 まあ シロウトには むずかしいだろうけど……この町で できるのは ぼくだけだろうね。

「……じゃあ じゃあ ルーくんが この町のために ほこらの封印を 直しにいってくれるの?

「そりゃ もし うまくいったら お義父さんだって ぼくのことを みとめてくれるだろうし……
何より あの遺跡を しらべられる またとない 機会なんだから 行きたいのは やまやまだよ。
でも 遺跡には 魔物が出るらしいし わざわざ出かけていって ケガするのも バカバカしいよな……。



あれ?学問に一途な人なのだと思っていたけれど、あなたの向学心はそんなものなのか?
まぁやる気が無いんじゃ仕方ない。


「とにかく 今 聞いたこと パパ……じゃなくて 町長に 報告してください。
病気の原因は わかったし これって 大きな進歩ですよ。 ルーくんってば すごすぎです!
……んっ ケホッ ケホン! ……スミマセン コーフンしすぎて せきこんじゃいました。



確かに原因がわかったというのは大きい。
それよりも、先程からあなたの具合が悪そうなのが、気にかかって仕方ないのですが……。


町長に結果を伝えると、お礼はするからルーフィンの護衛をしてやってくれないかと頼まれる。
護衛さえあれば彼も行く気になるのではないかということ。
そりゃ、我々は人助けのためにやってきたわけですから、それくらいお安い御用ですよ!

そういうことで再びルーフィンの研究室へ。
……しかし直接話してくれれば行ったり来たりしなくてすむのになぁと、少々グチをこぼしつつ。


「……えっ お義父さんが ぼくのごえいを あなたに たのんだですって?

「うそっ! パパが ルーくんのためにっ!?

「……なるほど。 あなたは お義父さんの 手の者ってわけだ。 こりゃあ 見事にハメられたな。
えーえー 行けばいんでしょう。 ぼくが くち先だけの男じゃないって お義父さんに 証明してやりますよ。



エェェそっちかよー。


「……えーっと ルーくん? それは ちょっと ちがうんじゃ?

「そうと決まれば ノンビリしてられないな。 ぼくは 先に ほこらへ行ってます。
ほこらの場所は この町を出て ずっと西に行ったところですから あなたも 急いで来てください。



そう言うと、さっさと部屋を出て行くルーフィン。
ああ、仲が悪いってそういう仲の悪さなのね。
しかしほこらまでの道程は護衛しなくて良かったんだろうか。
ここに来る途中、もみじこぞうとかとっしんこぞうとか割と面倒だったんだけれども避けるのが。


「ケホッ ケホン! ……ごめんなさい。 この部屋って ホコリっぽいから。
……ルーくん 変な はりきりかたしてたけど だいじょうぶかしら?
おねがいします! ルーくんのこと しっかり 守ってくださいね。 ……ケホッ ケホン!



あなたの方こそ大丈夫なのか。
とりあえず旦那さんのことは我々に任せて、あなたはゆっくり休んでいてください。


*


もみじ(略)との競争にことごとく敗北しつつ、目的地到着。
ちっくしょう足速いよあいつら…一度に2、3匹追いかけて来るしさ……orz

そしてしろはなさん戦闘で聖水使いすぎです。
それ確かさっきどこかで拾ったやつですよね、あああ全部使っちゃった……!
今回道具持たせておくとバンバン使うなぁ…まぁ助かることもあるけれど。
でも聖水は別に使わなくても良いよ…!


【ふういんのほこら】 くろまめ:たびLv12/しろはな:そうLv11/いんげん:ぶとLv10/ささげ:まほLv11


「おそかったじゃないですか。 えーと……くろまめさん?
ほら ぼくの言ったとおり 地震のせいで ほこらのカベがくずれて 入り口が むき出しになってます。



ああ本当だ、すごくピッタリな位置で崩れている。


「こうなると 遺跡の中にあるはずの 病魔の封印も どうなっているか わかったもんじゃないですね。
それじゃあ 入ってみますよ。 あなたも お義父さんに やとわれたなら しっかり はたらいてくださいね。



あーもう言われなくてもちゃんとやりますよ!


遺跡の中へ入ると、目の前には閉ざされた扉と大きな石碑。
なになに、「ふたりの賢者の めざめしとき 赤き光と 青き光が よみがえる」。

見渡せば周囲には無数の鏡。
なるほど、どこかから光が出て、それを鏡を回転させながら誘導して、
あの扉まで届かせれば良いとかそういうレイトン的なアレか。


とりあえず光の出所を探すべく遺跡内をウロウロ。
おお新モンスターのはにわが出てきた。
はにわが火の息だと…?内部どうなってんだ。

あー、しにがみが鎌を振り回すモーションカッコ良いなぁ。

おお、僧侶の必殺技のゴスペルソング、
MP消費0のベホマラーみたいなものかな、コレ便利だなぁ。


奥まで進むとそれらしき賢者の像発見。
さっそくいじってみるとやっぱり出てきた青い光。
あとはコレをあの扉のところまで……


って、


アレー?


何コレもしかして像調べて光を出すだけで良いの?
謎解きじゃないの?


もう一つの像を調べて赤い光を出させると、あっさり開く扉。
なんか拍子抜けだなぁ……(´・ω・`)

コレ最初はきちんと謎解きさせる予定で、取りやめになったんだろうか。
それとも、後々の機会に利用するんだろうか。
鏡を動かして、もっと別の場所に光を当てたら更なる扉が開くとか……。
コレだけ思わせぶりに作っておいて、勿体無いなぁ。


扉をくぐると、そこには倒れて割れた大きな壺が。
ああ、バッチリ蓋も開いているじゃないか……。


「おおっ……古文書で見たとおりです。 あそこに 転がっているのは 病魔を封じていた 封印のツボです。


さっそくツボを調べる先生。


「やっぱり 地震で こわれてしまったようですね。
……よし。 封印のもんしょうが えがかれた部分は こわれてないな。 これなら 楽勝だ。
一流の考古学者なら これくらいのワレモノを 直すのなんて 朝メシ前ですよ。



はいはい。


「まずは はへんを集めてっと……


「後は 特製せっちゃくざいで……



ゴメン、せっちゃくざいが平仮名なのがちょっと可愛いと思ってしまった。
というか「特製せっちゃくざい」という響きがなんか可愛いと思ってしまった。


……と、着々と作業を進める先生の頭上に、不気味な魔物の影が。


「オろかナる しンにュウ者ヨ。 ワれヲ ふたタビ 封印せンと やッテキたカ……。
ソうハ させヌ……させヌぞォォ! なんジに 病魔の ワザワイ あレ! あレ! あレ! 



うわぁドロドロして気持ち悪い。


「こ こいつが 病魔かっ!? くそっ! まだ 封印のツボが 直ってないのに……。
ほらほら くろまめさん ボーッとしてないで! 病魔の相手は そっちの仕事でしょ?
あなたが 戦ってる間に ぼくが このツボを 直しちゃいますから 時間を かせいでくださいよ!



おうよ任せとけ!その代わりそっちもちゃんと仕事をこなせよこのヤロウ!!
関係ないけど、ボスの頭上にもスマイルな吹き出しが付くから、思わず笑ってしまう。


「ワれのジャマをスる者 すべテ ひトシく 死あルのミ! のミ! のミ!


■VS病魔パンデルム くろまめLv12/しろはなLv11/いんげんLv10/ささげLv11

……と、勇んでみたのはいいものの、

スイマセン正直苦戦しました。

とりあえず撃破時のパーティの状態。
くろまめ:しに しろはな:HP7 いんげん:HP47 ささげ:しに
アレー何でこんなことになったんだっけ、2回攻撃だったからか?
まぁ倒せれば良し。

それにしても、倒した後目玉3個だけがポツンと残されているのが何とも言えない。


そしてイベントシーンのため、HP1で都合良く生き返っているくろまめ。


「おのレ のレ。 わガ呪イよ…… コの オろかナる者ドもに 死の病ヲ……。

「やっと 直りましたよ! ……っと どうやら ちょうどいい タイミングだったようですね。



あの激戦(個人的に)が繰り広げられている横で、きちんとツボを修理してしまったその実力は素直に認める。


「さあ 封印のツボよ 悪しき魔を 封印せよ!

「ぎゅバばバばバば……。



ツボに吸い込まれていく病魔。
なんか排水口に流されてるみたいな断末魔だな。


「見てましたか くろまめさん? みごと 病魔のやつを ふういんしてやりましたよ。 このぼくが!
フッフッフ…… これで お義父さんも ぼくのことを みとめざるを えないでしょうね。



得意げに眼鏡を上げる先生。
まぁこれで先生と町長さんの仲が改善されるなら何より。


「さぁーて やることは やったし これで ようやく 遺跡のちょうさに 手が つけられるってもんです。
ああ くろまめさんは もう 帰ってもらっても けっこうですよ。 いても 気がちるだけだし。
それじゃ ぼくは この奥を しらべてきますんで。 報告のほうは たのみます。



あれ、もう護衛は良いのか。
じゃあ報告はこちらに任せて、気の済むまでごゆっくりー。


*


何だかんだでボロボロなのでキメラの翼でさっさと帰還。


「なんとか 病魔は やっつけましたケド。 くろまめ だいじょうぶ? ヘンなビョーキ もらってない?


心配してくれてありがとう、くろまめは大丈夫みたいですよ。
たぶん天使のチカラのおかげなのか、呪いの類なら効かないんじゃないかな、この間の魔女の時もそうだったし。
まぁ、今回別の意味で大丈夫じゃなかったけどね!

人々の病気もすっかり良くなり、喜びに包まれるベクセリアの町。
墓地で町の行く末を案じていた幽霊のおじいさんも、陰鬱な空気が晴れたと安堵している様子。
ええと、もう未練はありませんよね?


「……いや まだ いかないよ? せっかくの きれいな空気じゃ。 もう少し マンキツさせてもらうぞ。


これは失礼しました。

ルーフィン先生の大ファンなあらくれさんも大喜び。


「ルーフィン先生を 見つけたら この喜びを 伝えるために あつく だきしめてやるんだ!


うん、だけど先生貧弱そうだから、怪我させない程度にほどほどにね。


さてと、町長さんのところに報告に行く前に、まずはエリザさんに旦那さんの頑張りっぷりを報せてこようか。
きっと帰りを待っているだろうからね。

お邪魔しますよー……アレ?お休み中?





返事がない。
エリザは 息をしていないようだ。






え……?





ちょっと待って、どういうこと……?





寝込んでいた人達よりは、まだ病状は軽かったはず……!
そんな…………





「今 帰ったよ エリザ。

「あの遺跡のちょうさには しかるべき しりょうが必要でね。 取りに もどってきたんだ。





「……エリザ?

「どうしたんだ エリザ!? 返事をしてくれっ!
死んでいる……のか?
ま まさか エリザ キミも 病魔の呪いに かかって!?
バカな! 病魔は たしかに 封印したはずだ! 町の連中だって 治ったって……
……おそかったのか? ぼくが 病魔を封印したときには もう キミは……。
どうして? どうして 言ってくれなかったんだ!?
キミが 病魔の呪いに おかされていると 知っていれば もっと 急いだのに……。
エリザぁぁぁ!!!



*


突然の訃報に、再び悲しい空気に包まれるベクセリア。
しかしエリザさんの葬儀にもルーフィン先生は姿を見せず……。


「せっかく 町を救ったのに こんな フンイキ暗いんじゃ 星のオーラなんて 出てこないよネ。
アタシたちの苦労は なんだったの? ぐぅぅ……こうなったら せめて お礼だけでも もらわないと!
よーし くろまめ。 町長のおっさんとこに 行って お礼を せしめてくるのよ!



エェェー、そりゃこの町に来たのは星のオーラが目的だったけれども、
町長さんは大事な一人娘を亡くしたばっかりなんだぜ……そこに礼をよこせと押しかけるのは無頓着じゃないか。
まぁ要するに、ここはさすがに空気読んでくれ、頼む。

とは言うものの、ルーフィン先生は研究室に閉じこもって出てこないし、
他にどうすることもできないので、仕方なく町長さんの元へ。

やはり暗い雰囲気に包まれたお屋敷。
一応お礼としてはねかざりバンドを貰うも、我らがサンディちゃんはまだ納得のいかないご様子。
エリザさんが亡くなっていなければ、今頃は星のオーラであふれてたのに…って、
そりゃそうだったかもしれんけれども……でもな……。


例のはやり病は、人によって病気の進行速度にかなり差があったらしい。
エリザさんの場合、その速度が特に急だったのではないかという……。

何故彼女の具合が悪いことに気付いてあげられなかったのかと嘆くメイドのお姉さん。
本当にその通りだよ、何で誰も気付かなかったんだよ……と思うけれども、
誰も異変に気付かないほどに、彼女は最期までいつも通りに振舞っていたのかもしれないな……。


あああもう!確かにこのままこの町を去るのはあまりにも心残りだ。
せめて閉じこもったままのルーフィン先生をどうにかしないと。
ここはくろまめに残された数少ない天使のチカラを存分に発揮せねば……。


「想いをのこして 亡くなった方の たましいは 死してのちも 地上にのこると 言われています。
エリザさんも あるいは……? いや せんなきことを言いましたな。



と、いうことで、夜になるのを待って、町の墓地を訪ねてみる。
花束の手向けられた墓石の前には、青白く光る彼女の姿。


「アハハ。 私 死んじゃいました。 ……って もしかしなくても 私のことが 見えるんですね!?


ああ見えるよ、見えるけれども、そんなに明るく振舞うのは悲しくなるからやめてくれ……。


「すご~い! どこか ふつうの人と ちがうと思ってたけど くろまめさん れーのう者だったんだ。


……うーん、まぁ話がややこしくなるからそういうことでいいや。


「はぁ~ よかったぁ。 くろまめさんが いてくれれば なんとかなるかも……。
えーっと おねがいなんですけど ルーくんを 立ち直らせるために 協力してもらえませんか?
このままじゃ ルーくん ダメになっちゃうと 思うんです。 だから おねがいしますっ!



そりゃ、協力できるなら協力したいですけれども……。


「わっ ありがとうございます。 それじゃ まずは ルーくんに 出てきてもらわないとですね。
私が なんとかしてみせますから とりあえず ルーくんのとこに 行ってみてください。



相変わらず静まり返った研究室。
内側から鍵がかけられたままの扉。


「くろまめさん。 それじゃ ダメですよ。
ルーくんに 出てきてもらうには ノックのしかたに コツが いるんです。



トン トン トトトン トン

エリザの言う通りにノックしてみるくろまめ。


「……エリザ? エリザなのかいっ!?


勢いよく開かれる扉。


「今のは……。 くろまめさん あなたのしわざか?
わざわざ エリザのノックを マネするなんて タチの悪い冗談だ!
こんなことは もう二度と やめてください!



それは……正直申し訳なかったとは思うけれども……。
そのまま部屋へ戻ろうとする先生。
ああ、待って……!

そこへ、たまたま通りがかったあらくれ。


「おっ ルーフィン先生 ちょうどいい。 あんたに 言いたいことが あるんだよ。
はやり病を 止めてくれて ありがとよ! 町の連中に代わって 礼を言うぜ。
あとよ…… 早く 立ち直ってくれよな! みんな あんたを心配してんだぜ。


「な なんなのだ いったい?



困惑する先生。
そうだよ、あなたは思いも寄らなかったかもしれないけれど、みんなあなたに感謝してるんだ。


「くろまめさん。 私の最期の言葉として ルーくんに 伝えてください。
ルーくんが 病魔を封印したことで 救われた人たちに 会ってほしいと 言ってたって。



エリザの言葉を伝えるくろまめ。


「エリザが そんなことを…… でもぼくは だれが 病気になってたかも 知らない。
あのときは お義父さんを 見返すことばかりに 気を とられてて……。
…………。
くろまめさん 今から 私を 病気に 苦しんでいた人たちの所へ 連れて行ってください。
今さらですが どんな人たちが はやり病にかかって どんな思いを かかえていたか 知りたいんです。
それを知れば 病気になった エリザが どんな気持ちでいたか わかると思うから……。



……エリザさんの伝えたいことが、そういうことなのかどうかは疑問に思うけれども。


「私からも おねがいします。 きっと それが 必要なことなんです。


どちらにしろ、あなたは一度町の様子を見て回るべきだ。


*


と、いうわけで、ルーフィンを連れて町の人々を訪ねることになったくろまめ。
その前に、まずは一度お墓参りに行きませんか。


真新しい 墓石に 文字が きざまれている。

わが愛娘エリザ ここに ねむる。
願わくは 彼女のたましいに
とわの安らぎの あらんことを。


「エリザ……すっかり 来るのが おそくなって 悪かったね。
今 キミのねがい通り はやり病に かかっていた人たちを たずねているところなんだ。
それで キミが 本当に 伝えたかったことが わかったら また 報せに来るよ。



その様子を傍らから見つめるエリザ。


「私は こっちですよー。
……向かいあって 話せないの やっぱり ちょっと さびしいな。



いかん、ちょっとじわっときた。


「将来を ちかいあったヒトを 亡くすのって どれだけ かなしいのかな……。 アタシには そうぞう できないや。


ちょ…どうしたんサンディ頭でも打ったんか、そんなしんみりしたこと言うなんてらしくないじゃないか。
というかこれ以上私の涙腺を刺激するのはやめてください頼みます緩いんです涙腺異常に緩いんです。

……とにかく、先生を連れて町の人の話を聞きに行くよ。


「おお ルーフィン先生じゃねえだか! あんたには カンシャしてんだよ。
うちからは 病人は出なかったけんど いつ カミさんや息子が 病気になっかと 心配してたんだぁ。
……あっ!!
こ こりゃ すまねえだ。 そういや エリザさんは…… オラ 気がきかねえもんで。


「ルーフィン先生っ! 妻と娘を 助けていただいて ありがとうございました。
本当に 夜も眠れぬ日々でした。 あのままじゃ たおれてたかも……。
だから 先生は ぼく自身の 恩人でもあるんですよ。


「おお ルーフィン先生! ようやく あの物置小屋から 出てきたんだな。
いくら かなしいからって 閉じこもったりしちゃ いけねえよ。 みんな 心配してたんだぜ。


「まあ ルーフィン先生。 研究室から 出てきたってことは もう 立ち直ったのかい?
ってことは 他の落ち込んでる人を たずねまわって みんなを はげまそうってつもりなんだね?
ああ 何も言わなくても いいよ。 あたしゃ 全部わかってるんだから。 さすが エリザちゃんの選んだ人だよ。


「おう ルーフィン先生! あんたは この町の救世主だぜ。 もっと ムネを はってくれよ!
ケンソンしなさんなって! 天国のエリザちゃんだって あんたを ほこりに思ってるはずさ。



ひととおり家々を回り、研究室に戻ってきた一行。


「ありがとうございました。 おかげで エリザの言いたかったこと わかったような気がします。
今までの ぼくは 何をやるにも 自分のことばかりで まわりが 見えていなかったんですね。
だから エリザの体調が おかしいことすら 気づかないで…… まったく 情けない話です。



エリザさんのことは、彼女がそういう素振りを見せなかったせいもあるかもしれないからなぁ……。


「今日 町を回ってみて 初めて 自分が いかに 多くの人々に 関わっているのか 気づきました。
これからは そのことを忘れず この ベクセリアの人々と ともに 生きていこうと思います。
……みんなに 感謝されるのも 悪くない気分ですしね。



これで、先生はもう大丈夫かな。

振り向くと、扉の前にエリザの姿。
ゆっくりとこちらに一礼する彼女。


「ルーくんを 助けてくれて 本当に ありがとうございます。
おかげで 私 死んでるのに 自分の夢を かなえることが できちゃいました。



あなたの、夢……?


「ルーくんの すごいところを 町のみんなに 知ってもらうこと。
……そして ルーくんに この町を 好きになってもらうこと。 それが 私の夢でしたから。



……ああ、

エリザさんがルーフィン先生に、具合が悪かったことを一言も漏らさなかったのは、

言えばきっと先生は、彼女のために病魔を封印しに行ったからじゃないだろうか、

それを彼女は望んでいなかったからじゃないだろうか。


もう無理だ


画面が滲んで


よく見えない


「あわわっ! もう時間みたい。
それじゃあ これで お別れです。 どうか お元気で……。



そう言って最後にルーフィンを見つめると、
そのまま青い光に包まれて消えていくエリザ。

もちろんその姿は、ルーフィン先生には見えなくて。


「もうすぐ 夜が明けますね。
今日は こんな時間まで つきあわせてしまって もうしわけありませんでした。
くろまめさんは 休んでください。 ぼくは すこし 考えごとをしたいので もうしばらく 起きています。



*


「おはようございます。 もう お昼すぎですよ。
昨日まで 町をおおっていた 暗いフンイキも 今日は すっかり 晴れたみたいですねぇ。



慌てて宿屋を出てみれば、
おお…BGMが明るくなっとる…!


「ついに ついに つーいに やってくれたネ くろまめ!
あんたには 見えないだろうけど 今 町じゅうに 星のオーラが あふれてるんだヨ。



あー星のオーラが見えないのは相変わらずなんか…。


「これだけ 人間を幸せにしたんなら あんたの天使としてのランクも 赤マル急上昇 マチガイなしでしょ?
……ってことは 今度こそ 天の箱舟も 動いてくれるに ちがいないって!
さあ 天の箱舟のところまで ダッシュで もどる! もどる!



分かった分かった。
天使の階級制度についてはよう分からんから、ランクが急上昇したかどうかは知らんけどな。


「故郷ってのは いいもんだぜ。 あんたにも 故郷があるんだろ? なら たまには 帰ったほうがいいぜ。


そんなことを言われると、早く天使界に帰りたくてたまらなくなるじゃないか。


そういえば、昨晩は先生が合わせる顔が無いからと言って訪ねなかったけれど、
町長さんはどうしているだろうか。


「私 ときどき思うんだけど だんな様って ルーフィン先生のこと 気に入ってるんじゃないかしら?
あんなに 落ちこんでたのに 先生が来ると あいつは ダメだとか けしからんとか わめくんですよ。
その後は 血色よくなっちゃって すっかり 復活って感じなの。



あらまぁ。
じゃぁちょっと顔出していっても大丈夫かな。


「えーっと これは……天使か? で こっちは たしか……星? う~む わからん。
うわっと! ……いや なに。 せっかく古文書があるのだから 読んでみようかと 思いましてな。



ほほう。


「ルーフィンのやつ よくも まあ こんなものを スラスラ 読めるものですなあ。
……あ いや。 別に あやつに えいきょうされて 古文書を 読みはじめたわけではないですぞ!
私の あふれる 向学心が 本だなに 手をのばさせたのです。 ええ それだけですとも!



なにこのツンデレ。

しかしエリザさんは亡くなってしまったけれども、
この二人がこれからずっとこの調子で付き合っていくなら、彼女も喜んでいるんじゃないだろうか。


「やあ くろまめさん。 あなたには あらためて お礼を 言いたかったんですよ。
……今まで ぼくは 自分の満足のためにしか 学問を してきませんでした。
でも 今は 自分の学問を この町のため 世の中のために 役立ててみたいんです。
こう思えるようになったのも 閉じこもっていた ぼくを あなたが 連れ出してくれたおかげですよ。



学問が必ずしも世の中の役に立たなければならないものだとは決して思わないが、
人のために役立てたいと思うなら、どうかその気持ちを大切にしてください。


「エリザさんは あのルーフィンの どこにホレたのかなあ……。 いまだに わかんないんですケド!


まぁそれは、彼女だけが知っていることだねぇ。


*


さて、箱舟のある場所に向かう前に、久々にリッカちゃんのところにでも顔を出そうかと、
キメラのつばさで一旦セントシュタインへ。

今回エラフィタの近くの麦畑でキメラのつばさが大量に拾えるんですけどね、
よく考えたら怖いですね、何故なんでしょうね。

最近の公式ガイドでは「キメラが落とした羽」とかマイルドな説明がなされているけれど、
一昔前は「雷に打たれて死んだキメラという生き物の翼」とか書いてありますからね。

通りがかるたびに落ちているもんだから、
あそこは落雷によってキメラが大量死するスポットなんだろうかとか、変な憶測をしてしまうよ。
じゃあきっとあそこの麦畑は毎年豊作なんだろうね。

あと今回キメラのつばさによる移動がめちゃくちゃ勢いある、バシュッ!シュタッ!ってなる。


宿屋に入るといきなりリッカに呼び止められる。


「あっ! くろまめ! おかえりなさい!


「おかえりなさい」と迎えてくれることの、なんと嬉しいことか。


「もう 町中ウワサで もちきりよ! 旅芸人 くろまめが この国を 危機から救ったんだって!
なんだか すっかり有名人ね。 私も 友だちとして 鼻が高いよ!



あああゴメン、これもしかしてベクセリア行く前にもうイベント発生できたのか…!
うわぁぁぁ自分ともあろうものが何故宿に立ち寄らなかったんだ……リッカちゃんファン失格だ……orz

というか、この町の人々にも旅芸人として認識されているのね……。


「あ そうだ。 それより 聞いて聞いて! 地下室を そうじしていたら こんなの見つけちゃったんだけど……。


と、謎の物体を掲げるリッカ。


「これ 錬金釜っていうらしいの。 昔 まずしい錬金術師のお客さまが 宿代の代わりに おいていったんだって。


えええ、いくら何でも錬金術師が錬金釜手放して良かったんだろうか。


「どうやって 使うのか わからないけど ちょっと いわくのあるものだし ここに かざっておくことにするわね。
……うん。 こうして見ると なかなか 味のある形じゃない! きっと 幸運を運んでくれるわ。



幸運を運ぶ味のある形って何。
とりあえず調べてみようか、どれどれ。


「……………………。
…………ンゴゴゴゴ。
……ハッ! ね ねてません! わたくしは ねてなど おりませんよ!



コイツ……しゃべるぞ……?
なに?じゃあさっきのはいびき?


「……っと おや? どうも あなたには わたくしの声が 聞こえているようですな。


ああ、どうもそのようですな。


「お初に お目にかかります。 わたくし 錬金術を行う 魔法の釜。 錬金釜のカマエルと申します。


ははあ、これはどうも。


「錬金術とは アイテムと アイテムを かけあわせて
より優れたアイテムを 生み出す 奇跡のみわざでございます。
……ときに もしや あなたは わたくしが仕えるべき おじょう様では ございませんか?



エェー、なんか知らんけどたぶん人違いじゃないかな。


「ハッハッハ……。 おたわむれを おっしゃいますな。
あなた様こそが わが主であること わたくしの目をもってすれば イチモクリョウゼンですぞ。



エェェェェェ、なんか強引だぞコイツ……。
そして一体どこが目なのか……!


「それでは さっそく 錬金を…… と言いたいところですが その前に まず これを お持ちください。


錬金レシピブックといくつかのレシピをもらったくろまめ。
コレ一体どこから出てきたんだ、釜の中か。


「錬金レシピブックは 持っていれば 誰でも 簡単に錬金ができるという スグレモノでありますぞ。
今は 登録されているレシピも わずかですが 世界の本棚には 無数のレシピが ねむっているはず。
それらを すべて集め ともに 錬金の奥義を きわめましょうぞ!



あぁ、じゃあこれまで調べても何も見つからなかった本棚にもレシピがあるかもなぁ。
あとで探してみるか。


「……と そんな遠大な目的は さておき なにごとも まずは 基本からです。
試しに 簡単な錬金をやってみましょう。
まず最初に どのような方法で 錬金するか 選んでください。 おすすめは レシピで れんきんですぞ。



さっそく錬金画面に切り替わる。

下画面に操作の手順。

そして上画面には、ピヨピヨと動く錬金釜の姿。





……。





何このかわいい生き物。




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